球磨川の氾濫は、程度の差こそあれ日本全国どこでも起こりうる水害である。僕の家で同じ様な状況になるのか?は疑問だけれども、ちょっと高台にあるため、逆に地滑りなどのトラブルは想定して置いた方が良いだろうと思う。そうしたトラブルの際にも、非常時持ち出し袋は、玄関などに用意しておくべきグッズだ。
今日はそんな話を少し書いていきたい。
どんな袋がいいのか?
先ずは袋の話から
持ち出し袋なのだから、凝ったデザインのものを用意する必要はないが、袋自体には必要な条件が3つあると思っている。
- 必要なアイテムが入る容量を確保出来ること
- 防水性があること
- リュックタイプであること
容量の確保は当然のことではあるが、何でもかんでも詰め込めば良いというものでもないだろう。必要最小限のアイテムを確保することを心掛けたい。目安としては10kg以下とすることが望ましい。女性や子供ならば5~6kgを目安だろう。
防水性に関しては、避難時に雨が降っているケースを想定して防水性があると気を遣わなくて済むという点で推奨したいところ。もちろん、濡れないようにビニールをかけるなどの工夫でもイケルと思うが、直ぐに持ち出すことができるのは、いざという時のアドバンテージになる。
リュックタイプを推奨しているのは、避難する際には両手がフリーである事が望ましい事が多いことを踏まえての話。もちろんボストンバック的なアイテムでも良いのだが、動きを阻害するような袋は寧ろ持っていかない方が良いだろう。
そうした観点から考えると、こんな感じのアイテムを推奨したい。
本来ならばしっかりしたリュックが良いのだけれど、防水性を重視した場合にはこの手のドライバックといわれるアイテムの方が優れている。リュックとして優秀なタイプを選ぶとお値段が高くなるので、何処かで妥協しておくべきではあるが、実際にこんな感じのセットで売られている事を考えても、候補としてはアリだと思う。
なお、色はできるだけ目立つものが良いと思うが、リュックで目立つ必要はないので、目立つ反射材などが組み込まれたキーホルダー的なアイテムを付けるのもありだろう。
ちなみにこの手の「いかにも」というアイテムもあるのだけれど、個人的には防炎性を備えている必要性を感じない(あるに越した事は無い)ので、どうかとは思う。格好悪いというのもあるんだけどさ。
中身に何を入れるのか
さて、バックの次は中身である。
意外に役に立つアルミブランケット
意外に冬季ではなくても夜間寒い事は多いので、アルミブランケットの類は是非とも用意しておきたいアイテムの1つだ。
正直、割りと安いアイテムでも1つあるだけでかなり違うし、殆ど嵩張らないというのもポイントが高い。軽いしね。
スリッパも用意したい
多くの防災拠点にはスリッパが置いてあるのだが、それでも持って行くに越した事は無い。
自分のスリッパがあり、持ち歩けるだけでも随分と安心感が違う。それに冬季の避難所の床はとても冷たいぞ。一つ忍ばせておくだけで随分と違うので、是非とも用意しておきたい。
ラジオ&ライトかモバイルバッテリー
さて、ラジオなども緊急時にはなかなか役に立つのだが、何を持っていくのか?という点は悩ましい。
携帯型のラジオは情報源としては優秀なのだが、手回し発電式のアイテムは案外役に立たないものが多い。発電機を回す音で結構五月蠅いという問題もあって、まともに使えるとは思えないアイテムばかりにしか出会ったことがない。
ソーラー充電モジュールがあって、持っていると便利ではあるんだけれども、これも使えるシーンは限定される。
多分、避難所では使えないアイテムだよね。
そんな事を考えていくと、やっぱりモバイルバッテリーを普段使いで持っていて、常に充電してある状態が良いよね、というような事になると思う。スマホさえあれば、ラジオも使えるしね。
個人的にはモバイルバッテリーをオススメ。ライトも必要なんだけど、これは懐中電灯よりはLEDランタンのようなアイテムの方が使い勝手が良いと思う。
この手のランタンは、キャンプ用のアイテムとして使えるので、非常持ち出し袋の中に入れておくかは悩ましいところ。その点は、モバイルバッテリーも同じだよね。
そういう風に考えていくと、手回し式充電器付きライトというのは、使い勝手は悪いのだけれど非常時のアイテムとしてはあっても良いものだと思う。ただ、使い勝手が悪いことは理解しておきたい。
飲料水は必要か
さて、通常の非常持ち出し袋には必ずと言って良いほど入っているべきアイテム、「水」なのだが、案外これが悩ましい。
結構、「長期保存」を謳っている商品はあるのだけれど、実際に使えるかというと、いざという時に持ち出したら賞味期限が切れていたなんて事はありがちである。
基本的にはこの手の携帯浄水器の方が使い勝手が良いのではないか?とは思っている。飲料用水をストックしておく事は重要なので、500mlタイプの水を定期的に購入して、いざという時に持ち出すスタイルしておく方が良いと思う。が、常に袋に入れっぱなしという事であれば、重くなりにくいこの手のアイテムを持っておく方が無難な気がしている。
非常持ち出し袋の中にペットボトルをいれっぱなしにしないで、必要な時に袋に入れて持ち出そうという話だね。だから、飲料水が不要というわけではない。一人当たり500mlタイプを3本くらいは持っておきたいよね。
こういうアイテムもある。
食べ物はカロリーがとれるものを
さて、あとは食料品などなんだけど……。
こういうアイテムが定番だし、あれば良いと思う。ただ、日本人的感覚で言うと、周りの人達が何も食べられないのに、自分たちだけばくばく食べるというのは心情的になかなか難しい。
個人的にオススメしたいのはヨウカンかな。
ビスコもなかなか嬉しいのだが、あくまでおかしカテゴリーなので、満腹感を得るのはちょっとハードルが高い。
甘い物は心を落ち着ける上でも嬉しいアイテムではあるんだけどね。
日本は古くから乾パンを備えておこうということが言われているが、近年はもっと美味しいアイテムが増えている。色々試して見るのも良いだろう。
ただ、個人的には乾パンはかなり優れた商品だと思う。何しろ、あまり美味しくない。美味しくないことは、「食べ過ぎない」という意味でもかなり重要で、案外優れた特性なんじゃないかと思うわけだ。
ただまあ、定期的にこれを消費しなければいけないのは結構大変なんだけどさ。
ウエットシートは用意しておこう
あと、意外に困るのがお手ふきだ。
通常販売されているウェットシート買うと、1年くらいでカラカラに乾燥してしまうので、長期保存ができるタイプを用意しておきたい。ただ、大抵は5年程度しか保証しない物が多い。乾いたタオルを入れておくことも忘れないようにしたい。
この手のウェットシートは、手を拭くのにも、体を拭くのにも使えるので便利。ただ、定期的に期限を確認しておかなければならないのが辛いところ。
下着や衣服も
あとは、下着や衣服などを入れておきたいところだが、これまた普段使いしているものを入れるべきだと思うので、常に常備しておくと言う訳には行かない。
この手のアイテムもあれば便利なんだろうけれど、使い勝手は悪い。まあ、ナイよりはマシなので1つ2つ入れておけば良いかも知れない。
他にも簡易トイレなどを用意しておくと良いと言われてはいるのだけれど、これも非常時に使えるかというと悩ましい。なければ死活問題になりかねないだけに、用意しておくに越した事は無いんだけどね。
そうそう、新聞紙なども1日分か2日分。ガムテープなども用意してあれば色々使えるので、入れておくとイイと思う。
年に1回は点検を
寧ろ必要なのは、定期的な点検
非常持ち出し袋を用意する上で一番大切なのは、日常的な点検を行っておくことじゃないかな。
9月1日は防災の日ということになっていて、関東大震災(大正12年9月1日)にちなんで、政府や地方自治体の防災意識を高めようという取り組みがなされている。
もちろん9月1日でなくても良いのだけれど、年に1度くらいは非常持ち出し袋の中身を点検しておくことをオススメしたい。長期間保存が可能なアイテムであっても、その時使えなければ意味が無いのである。
だからこそ、しっかり中身を点検しておくことが必要で、万が一、賞味期限が切れていたりしたら、補充するなり対策を打つべきなのである。
そして、それ以上に重要な事は、常に非常持ち出し袋の中身に何が入っているか?を確認しておく事が大切だ。「あれ、何が入っていたっけ?」という状況では、使うときに困ると思う。
点検と一緒に、被災時の対応を家族で話し合うべし
あと、個人的には被災時の対応についても話し合っておくことが大切だと思っている。
どこに避難して、どんな対応をするのか。そんなことをしっかり話し合っておくと、いざという時に困らないだろう。例えば、会社で働いているときに、子供達はどうしたらいいのか?どうやって合流するのか、など、しっかりと話し合っておきたい。
台風、洪水、地震、火事、様々なトラブルが考えられるけれども、地域で起こった災害の歴史などは調べておいて損はない。その上で、どうしたら良いかを考えておくことが大切だと思う。
我が家も2つ程用意してあるのだけれど……、本当であれば子供達の分も用意すべきなのだ。一人一袋。家に帰ったら用意したい。
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