DIYで農機具小屋を建てよう——シリーズ2回目は構造に関しての失敗と設計思想に関する内容だ。
第1回目はこちら。
前回、構造変更で少し言及しているのだが、柱の増加をした経緯というのは、前の記事では良く分からないだろうと思うので、今回はその辺りについて少し整理したいと思う。
単管で小屋を建てようとしているなら、場所によっては柱本数は想定より増える可能性が高いことを先に指摘しておこう。今回はそういう話である。
これから小屋DIYをしようとしている方の一助になれば、幸いである。
既設流用というのは難しい
設置場所は傾斜地
古い農機具小屋は道路に面した立地だったので、隣地に建てようとしたら親父殿には不評。
現在は農地の東面に位置しているのだが、どうやら新しい小屋は東面に建てて欲しくないらしい。 朝日を遮るのは困るとのこと。
当然、施主である親父殿の意向は汲まねばならない。
で、「候補地は」と探して、結局、西面に設置されていたブドウ棚の一部を取り壊して設置するところに落ち着いた。
理由は2つ。
- 植わっていたブドウは枯れてしまい、再生の見込みが薄かった
- 棚を構成していた単管が地面に打ち込まれており、柱として流用できそうだった
既存資源の再利用。
実に、合理的な判断である。……と思ったのだよね、その当時は。
ただ、この判断は成功であったかどうかはやや疑問である。
その理由も2つ。
- 傾斜地だったこと
- 既存柱の芯がしっかり出ていなかったこと
後から効いてくる“地味な誤差”というやつだ。
単管骨組みの小屋という選択
ネットを検索すると、意外と単管を組み付けて小屋の構造にし、利用している方は少なくない。
単管とクランプの組み合わせによる構造は、素人でも比較的扱いやすい。ポイントはそこその強度が出て、やり直しが容易であるというところだろう。
そういう意味で、DIY向きと言えば確かにその通りだ。
ただし、クランプで繋ぐことは、構造的な面では必ずしも幸せになるとは言い難い面もある。 締め付けトルク、微妙な歪み、芯ズレ——これらが積み重なる。
他に、単管の基礎部分をどうするか?という問題も出てくる。
一般住宅であればコンクリート基礎を打設する。 古い建築では礎石の上に柱を載せる工法もあるが、共通しているのは「地面と縁を切る」という発想である。
湿気対策。腐食防止。
単管も同様で、直接打ち込めば錆の進行は避けられない。
錆の進行を遅らせるためにこんな塗料はあるのだが、これは地中打ち込み効果があるかというと、多少はあるのだろうが効果は限定的である。よく使われるアイテムなんだけどね。
今回は既存の単管が既に地中に打ち込まれていて、割と錆が進行している段階なので今更ではある。ただこれを柱として活用する、という前提から全てが始まっている。
つまり——
基礎を新設せず、既存の“条件付き基礎”の上に設計を乗せた。
ここに、設計変更の連鎖が潜んでいたというオチに繋がるわけである。なお、効果は薄くても塗らない選択肢はないので、常温亜鉛メッキ塗料は塗ったけどもね。
傾斜地利用の弊害
そして、打ち込んであった既設の柱をそのまま使ったということは、当然小屋は傾斜地に建ったということである。
畑のある土地は休耕田に隣接して一段高くなっている。畑と休耕田の高低差は1.3m程度。そして、ブドウ棚は畑から下がる傾斜地に作ってあったので、農機具小屋もその場所に作ることになった。農地を減らしたくないと親父殿が主張したからである。
施主の判断は絶対である。
そうすると、高床式倉庫!ということになったんだけど、これがちょっと困ったことに。
高いところと低いところの高低差が1.3m。
農機具小屋の屋根は片流れ式で休耕田側に下がる構造で、畑側から出入りする。よって小屋の内部の天井の高さは、案外高さが取れずに2mで、低いところは1.7mほどになってしまった。そうすると、小屋の高さの割に背丈の高い構造物になってしまって、低い側の屋根の高さは地上から3m以上あるという状態に。
内部はそれほど高くないのに、休耕田側から見るとやたら背が高い。見て貰った方が分かり易いか。
写真が手元にないので、SketchUpで後から描き足した絵がこちら。

このアンバランスさが、後々効いてくる。
屋根の上の作業は概ね高所作業(作業床の高さが2m以上となり、ハーネスを必要とする)なのだが、3m以上の高さだと流石に怖い。
そしてもう1つ大きな問題がでた。
小屋の重心が高くなる。
屋根が高くなり床下に伸びる足(柱)が伸びた。このことが、構造的な不安定さを増し、それが揺れに繋がったんだよね。さらに屋根重量の増加が追い打ちをかけた。
- 高床構造
- 屋根重量増
- 傾斜地による片側支持
全体的に不安定になったために、構造材料を増やし、当初6本柱で作る構想だったけれど、最終的に更に5本の柱(足)を追加している。

黄色に塗られているのが、後から足した柱で、一番手前の柱は中を見せる関係で省いてある。
追加した足には気休め程度だが、こんなアイテムを使ったことを書き添えておく。
地面と縁を切っておいた方が、錆の対策にはなるからね。
まとめ
結局、既存柱を活かすという合理性は、別のところでコストを要求してきた、というわけだ。
仮組み段階で判明したことではあるが、6本柱に屋根を付けただけの状態だと、人が歩いても揺れるし、荷物の出し入れの際にも荷重変動で揺れるだろう。さらに壁を付けて風を受ければどうなるか。
高重心構造を安定させるために11本に柱を増やしたのは、安定のためには仕方のない判断だった。DIYの場合は、「ここまでやったという安心感」は意外に重要なのだ。
ただ、これから建てようという方には、一言忠告を。用地選定時には出来るだけ平坦な土地を選ぶこと。また、単管を打ち込んで使うという判断は止めた方が良い。僕は既設流用ということで割り切ったが、避けられるなら避けた方が良い。面倒なことが増えるだけでメリットが少ないからね。
まとめ記事に関してはこちら。
→ 【農機具小屋DIYまとめ】素人が設計から施工までやってみた|総費用と失敗例を公開
DIYをしたことがない人が始める時にはこちら。
→ 【DIY木工】最初に買うべきもの、後でも良いもの






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