DIYで農機具小屋を建てよう——シリーズ3回目は壁と床の構造に関しての失敗と設計思想に関する内容だ。
第2回目はこちら。
前回、立地による構造変更の話に言及したが、今回は単管構造に関して考慮しておかねばならないことについて、話していきたい。
具体的には壁と床が結構大変だよというお話である。
これから小屋DIYをしようとしている方の一助になれば、幸いである。
設計ミスはある、が、現場で修正したら図面に反映しなければ
屋根構造は片流れ屋根
片流れ屋根を採用したという話は、こちらに説明している。
それはそれで苦労があったのだが、その話はまた別の機会にしたいと思う。ただし、簡単に説明しておくと、こんな感じの構造である。


単管で枠組みを作り、その上に垂木を渡す。垂木は単管にサドルバンドと呼ばれるアイテムで固定。単管は母屋と呼ばれる構造物に見立てているわけだ。
垂木の両端には鼻隠しを打ち付けてある。この上に野地板として合板を貼った感じの構造にした。
困ったのは壁構造
屋根の構造はさほど困ることもなく決定できて、建て終わった時にも構造的には問題にならなかった。失敗したと思うところは幾つかあったが、そこはさておき壁の方が問題となった。
3Dモデルで絵が描けても作れるとは限らない
壁の構造も単管にサドルバンドを使う構想だったのだけれど、そもそも、サドルバンドって単管に木材を固定する目的のものではない。木材に単管を固定するアイテムなのだ。つまり、強度を期待してはいけないものである。

屋根や床ならばズレ止め的に使うのはアリだと思うけれど。
そして、3Dで設計ができるSketchUpは便利なツールだけど、絵が描けたからといって構造的に成立するとは限らない。

こんな感じで描いたのだが、随分とポンコツな図面であったので、結局、現場で修正することになった。
手抜きの代償を受け取るのは、大抵現場で、だよね。
根太の配置
問題は根太と壁の関係だった。
床構造は、長手方向の単管の上に短手方向の単管を乗せ、その上をかわすように根太を配置する設計だった。

これは床構造を示す側面図で、短手方向(奥行き)に配置する単管が長手方向(横)に伸びる単管の上に乗るように描いてある。
……勘の良い方はお気づきだろう。
3Dモデルのクランプを用意出来ていないのが問題だったんだけど、下にいる長手方向の単管にクランプを取り付ければ、当然クランプの分だけ背が高くなる。

つまり、根太の太さは、クランプの出寸法も高い必要があるわけで。
ミスミのサイトを見ると、一番横幅が必要な部分は138mmで、その半分+αの高さが必要となる。ばらつきを考慮すると根太の高さは最低80mmは欲しい。
しかし、当初用意した根太の高さは75mmで足りていなかった。根太を配置し始めて気が付いたのだから間抜けな話だ。
根太の上に間柱を配置
そして、強度的なことを考えると、根太の上に間柱を立てる方が都合が良い。
当初はサドルバンドで保持するつもりだったが、さすがに無理がある。
流石に強度的に足りていないことに気が付いたので、急遽その構造も変更。

結果、
- 長手単管の上に根太を並べる
- サドルバンドで固定
- その上に柱を立てる
という構造へ変更。
現場における場当たり的な修正だったが、これで一応、間柱が立ち、その間柱に胴縁を打ち付けてトタンを貼り付ける構造とすることが出来た。この構造で3面は行けるということになった。
ここまでは問題なし。
扉は引き戸にしてくれ
だが、ここでもう1つ問題が持ち上がった。
そう、扉が配置される面の構造だ。当初は単管で組み立てる予定だったのだが、そうも行かなくなったのである。
「扉は、全部引き戸にしてくれ」と、親父殿。
施主の言葉は絶対である。
当初は開き戸の予定だった。開き戸なら単管取り付けの金物が存在するので、成立する。
が、引き戸構造はそう簡単ではない。安請け合いをしたのだが、かなり苦労をした。その下りはこちらの記事に言及している。
引き戸の構造に関しては、さほど難しくはなかった。いわゆるフラッシュ構造という、枠を付けて板を張るタイプの扉を選択。

ここで活躍したのが丸のことトリマーである。
正直、この2つがなければ、同じ作業をやることは余り考えたくない。
引き戸の構造
また、引き戸の構造は吊り戸タイプにした。これは、下側にレールを作ると色々問題があるからだ。

キットを買って済ますことが出来るのであれば、そちらの方をオススメしたい。が、丁度良いアイテムが見つけられなかったので、僕はバラバラで色々揃えることに。
まあ、それはそれで苦労したのだがそれはさておこう。今回は構造的な話なのだ。この手の吊り戸タイプを選ぶということは、レールを扉の上に配置する必要がある。
単管構造と門型フレームの衝突
つまり、扉を付けるための1面はこんな風に門型の枠を組む必要がある。

……あるんだけど、この枠を単管パイプにどのように取り付けるのか?が非常に問題になったわけだよ。
そして、この枠はほぼ廃材利用という……。この時点で充電式丸のこを買うしかなかったんだよね。だって、現場で測って切って取り付けてを地道にやったんだもの。
なお、ここの構造物は一切根太の上に乗っていない。じゃあどうしたかというと、土の上にコンクリブロックを配置。その上に土台となる木を渡し、門型の構造物を構築して、側面と結合するという無理矢理な構造にしたんだよね。
力業にも程がある。
まとめ
設計段階で予定していたことと、実際に組み付けてみて違ってくることは、DIYに限らずそれなりにあることだ。現場で対応するってことも、ままある。
だが、大切なのは図面にフィードバックして、その構造で成り立つのか検討し直すことである。
じゃないと、全てを現場で決めて辻褄が合わなくなって設計が破綻してしまうことになる。
そして、施主との話し合いは、しっかり行うべきだね。え?自分の趣味で作る分には、そんなことにはならない?いや、その通りですな。
だけど、DIYは頭の中で完結しがちで、構造物は現実に建つわけだ。そうすると、図面に戻り、荷重の流れを考え、接続部を検討する。これを怠ると、現場で無理な辻褄合わせをする羽目になる。
それも楽しいのだけれど、後で成立しなくなって更に辻褄合わせをする羽目になるから、気をつけるべきだ。
まとめ記事に関してはこちら。
→ 【農機具小屋DIYまとめ】素人が設計から施工までやってみた|総費用と失敗例を公開
DIYをしたことがない人が始める時にはこちら。
→ 【DIY木工】最初に買うべきもの、後でも良いもの





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