以前も記事で触れたとおり(→ 前回の記事はこちら)、自宅のディスプレイの使い勝手にはずっと不満があった。
それでも「まだ映るし」と誤魔化しつつ使っていたのだが、先日ついに電源が入らなくなった!
症状としては、どうも電源ユニットがダメになった感じだ。以前はケーブルの抜き差しで復旧していたが、今回は完全に沈黙。
職場で廃棄したディスプレイをニコイチ修理して使っていた代物なので、まあ寿命といえば寿命だろう。
とりあえず古い17インチのスクエア型を引っ張り出して使っているが、流石に狭い。
そんなわけで、いよいよ本格的に新しいモニターを探しをスタート!
なお、その後、厄介な展開になるのだが、この時の僕は未だ知らなかった。(その話は → 次の記事 で詳しく書くことにしよう。)
画面サイズと解像度、どれを選ぶ?
サイズと解像度
さて、いざ新しいディスプレイを買おうとなると、まず迷うのがサイズと解像度だ。
職場で使っているのは24インチのワイドディスプレイで、解像度は1920×1200(WUXGA)。このサイズ感は慣れ親しんで使いやすい。
けれど、「せっかく買い替えるなら、もう少し広い画面にしてみたい」と思ってしまうのが人情というもの。
最近では、WQHD(2560×1440) のディスプレイが増えてきたようで、価格も以前ほど高くなく、選択肢も豊富になってきている。「フルHDではちょっと物足りないけれど、4Kまでは要らない」という層にはちょうどいい解像度だ。
候補にしたディスプレイたち
職場で使ってみて印象が良かったのがPHILIPS 27E1N5500E/11。
発色も悪くなく、価格と性能のバランスが取れている。

もう一つの候補は、娘がPCを組む際に候補にしていた Pixio PX278 WAVE。
PixioはPRCブランドではあるものの、コストパフォーマンスの高さで評判が良い。見た目も良いね。

そして最後に、ゲーミング寄りの HP OMEN 27q も候補に挙がった。(娘は結局このOMENを選んだらしい。チョイスに性格が出るねぇ……)

どれもWQHD対応の27インチクラス。つまり、解像度とサイズの組み合わせとしては「最も今っぽいスタンダード」だ。
4K・8Kは本当に必要か?
正直なところ、4Kや8K のディスプレイは「話題にはなるけれど、実用面では微妙」だと思っている。確かに映像は綺麗だが、その分データ量が多くPCにも負荷がかかる。
しかも、4Kで表示できるコンテンツがどれだけあるか?
動画編集やゲームを本格的にやる人なら別だが、普段の作業やブラウジングなら、WQHDで十分だと思う。
ざっくりまとめると
| 用途 | おすすめ解像度 | 理由 |
|---|---|---|
| 事務作業・ブラウジング | フルHD(1920×1080) | 価格が安く、十分な視認性 |
| 画像編集・マルチタスク | WQHD(2560×1440) | 広さと価格のバランスが良い |
| ゲーム・映像制作 | 4K以上 | 高負荷作業に適するが、コスパは悪い |
つまり、「高解像度が正義」ではなく、「使い方に合わせて選ぶのが正解」という話になる。
参考になる話
解像度とサイズ
ここからはもう少し詳しい話。
まず、画面のサイズの話だが、ソレはすなわち解像度の話でもある。
一応、こんな感じになっている。画面サイズがでかいからこの解像度であるというわけではないのでご注意頂きたいが、まあ、大体デカイサイズのモニタであれば、解像度も高い。

現状多いのが、フルHDか、WUXGA、WQHD辺りのようだ。
正直、4Kとか流行った時期はあったんだけど、4K画質や8K画質が本当に必要なのかはやや懐疑的。データ量も多くなるし、そもそもそういうコンテンツというのは多くない。
- やりたいことに合わせたディスプレイを選ぼう。ネットサーフィン中心であれば、WUXGA(24インチワイド)、WQHD(27インチワイド)あたり。
応答速度とリフレッシュレートの話
ゲーミングディスプレイとは
ちなみに、ゲーミングディスプレイかそうでないか、という切り分けは余り意味がないと思う。「ゲーミングディスプレイって名乗ったヤツがゲーミングディスプレイなんだよ!」みたいなノリなんだよね。
じゃあ、何を気にしたら良いのかというと、応答速度とリフレッシュレートである。特にリフレッシュレートを気にするとイイヨ。このリフレッシュレートが高い製品ほど、高価になる傾向にある。
例えば、上で紹介した3つのモニターの応答速度とリフレッシュレートを比較すると、以下のようになる。
| ディスプレイ | 27E1N5500E/11 | PX278 WAVE | OMEN 27q |
|---|---|---|---|
| メーカー | PHILIPS | Pixio | HP |
| ネイティブ解像度 | 2560 x 1440 | 2560 x 1440 | 2560 x 1440 |
| リフレッシュレート | 60 | 180 | 165 |
| 応答速度 | 4ms(MPRT 1ms) | 1ms(GTG) | 1ms(GTG) |
リフレッシュレートは、モニターが1秒間に画面を書き換える(更新する)回数のことである。
これがゲーミングかそうでないかの分かれ道になるんだけど、例えばPS5に繋ぐ前提でモニターを選ぶ場合には、フレームレートが最大120fpsなのでリフレッシュレートは120Hzよりちょっと高ければ問題ない。60Hzだと、映らないフレームが出てくるって話になるよね。
FPSとか格ゲーとかだと、映らないフレームが出てくるのは割と結果を左右する話になるので、この辺りまで映るのが「ゲーミング」の名前を冠するに足るディスプレイということになるわけだ。
動画を見る程度であれば高リフレッシュレートは不要
ちなみに、Youtubeのフレームレートは24~60fpsなので、動画を見る程度であればリフレッシュレートは60Hzで問題ないことになる。ちなみにAmazonプライムビデオは29.97fpsが最大なので、60Hzで問題ないよね。
高画質を求め、かつ動きのある動画を見るのであればまた話は別なんだけど、それでも動画そのものに高フレームが設定されていなければ余り意味がない。
なお、応答速度にあるMPRT (Moving Picture Response Time)は、モニターが映像の動きに合わせて、輪郭部分の表示速度を計測する指標で、GTG (Gray to Gray)は、モニターが中間色から別の中間色に変化する時間である。やや指しているものが異なるが、基本的には同じと考えて差し支えない。厳密には違うんだけどね。
また、フィリップスの応答速度は、サイトを確認したのだがGTGは4msでMPRTは1msということらしい。
というわけで、ゲームをやるのでなければリフレッシュレートは60Hz程度で十分という話になると思う。
- ゲームをやるなら高リフレッシュレート品を選ぼう。90fps以上のものが好ましい。
- 動画中心であれば60fps以下でも特に問題はない。
画面出力端子を選ぶ
ディスプレイ側の接続ポート
そうそう、画面がグレアタイプかノングレアタイプかを選ぶのも重要だ。ノングレアタイプの方が映り込みが少ないので、動画を見る用途でなければノングレアの方が良いだろう。
あとは、端子が何に対応しているかくらいかな。
| 端子の規格 | HDMI | Display Port | USB Type-C |
|---|---|---|---|
| 形状的特徴 | ![]() | ![]() | ![]() |
| 規格の種類 | ・HDMI 1.2以前 ・HDMI 1.3~1.4 ・HDMI 2.0 ・HDMI 2.1 | ・DisplayPort 1.2 ・DisplayPort 1.4 ・DisplayPort 2.0 ・DisplayPort 2.1 | ・USB 2.0 ・USB 3.1 ・USB 3.2 ・USB4 |
どの規格に対応するポートなのかは、気にする必要がある。以前はDVIポートやVGAポートが備えられていたのだけれど、規格が出力に耐えられなくなったので。
DVIポートは、シングルリンクで1920×1200ピクセル、デュアルリンクで2560×1600ピクセルまで対応。VGAポートは、最大解像度は2048×1152ピクセルまでとなっている。そうすると、フルHDまでは耐えられるが、それ以上となると、ね。
もちろん、規格の種類も基本的には数字が大きい方が高規格になっているので、そうなってくると現代のディスプレイにはHDMIかDPのいずれかが適切ってことになる。USB Type-Cも素敵ではあるんだけど、Type-Cを備えているディスプレイは然程多くない。お高いディスプレイにはあるようだけど。
PC側の接続ポート
さて、ディスプレイ側のポートの話をしたが、当然、対応するPC側のポートも考える必要がある。
えーと、どうかな?マザーボードからの出力でなんとか間に合わないだろうか?


詳しい説明は省くが、マザーボードからの出力を考える場合、ディスプレイに画像を出力するのにCPUに大きな負荷がかかる。その辺りを考えているCPUもあるんだけど、出来ればその辺りの役割はグラフィックカードにお願いするのが無難だ。
じゃあどの程度の?という話になるとこれまた長くなるので、一応今考えているグラフィックカードを紹介しておく。お値段的にこの程度くらいまでしか手が出せない。正直、マザーボードから出力でも能力的には然程変わらない。
仕様的に、今のマザーボードに刺さらないのがネックなんだが……、新しいマザーに刺さるかを考えながら購入しなければ。
次回予告
次の記事では、実際に候補を比較しながら「リフレッシュレート」や「応答速度」など、
ゲーミングモニター選びの落とし穴についても触れていこうと思う。






コメント