先日、ERGOシリーズのトラックボールマウス、ERGO Sを購入した記事を書いた。

この購入を切っ掛けに、会社のマウスをトラックボールマウスに切り替えたのだけれど、家のマウスは相変わらず調子の悪いM575SPのままだった。
これをどうするのか?が目下の課題で、1つの解決策としては、チルトスタンドはありなんじゃないか?ということである。今回はチルトスタンドを使った場合のレビューと、それはERGO Sの代替になるのか?という点に触れていきたい。
チルトスタンドでカバーできない点はある
チルトスタンドってこんなアイテム
この手のアイテムはみんな同じことを考えるらしく、たくさん出回っている。例えば、こんな感じのスタンドである。
僕自身はこれを買う前に、「そもそも買って意味があるの?」ということを検証したかったので、家で自作のスタンドを試してみた。
コンセプトは、出来るだけ手首への負担がかからないように、ということだったので、市販されているアイテムだとちょっと都合が悪かったのだよね。
自作してみて分かったのだが、これなどは結構考えられた商品だと思う。
理由は後で言及するのだが、とにかく自作のスタンドは、出来るだけ角度がERGO Sの純正の傾斜角20°に近づけることをコンセプトに作った。
木製スタンド
ちょっと恥ずかしいので、そのうちちゃんと撮影出来る程度に作り直したものを紹介するつもりだが、コンセプトとしてはさほど難しいものではない。

木工でこんな感じのスタンドを作ったのである。自作スタンドでは、できるだけERGO Sの20°に近づけて製作した。比較する目的がメインだったからね。
見た目とか完成度はさておき、これを作って最初に感じたのは、意外に滑りやすいってこと。M575の表面も床面も割とつるつるした手触りに作られていて、丸みを帯びた設計である。おかげで、滑り止めのシートを敷いたり、彫り込みを作ったりして色々工夫はしてみた。
その結果、角度を付けつつM575を保持できるという当初の目的は達することが出来たんだけど、見た目はかなり宜しくない感じになってしまった。
多分ね、完成品を購入した方が良いとは思うんだ。滑り止めに関しても、作り込みがなされるものだし、完成度も高い。ただ、今回はテスト目的だったのでそれでヨシということに。
M575にチルトスタンドを付ければ、ERGO Sは要らないのでは?
で、検証結果なのだが、確かに角度がつくことで、使い易さ向上した。そこは素直に評価したいので、今後、M575を購入するのであれば数千円だしてチルトスタンドを買うのはアリだと思う。
じゃあ、更に角度をきつくしたらどうなのか?チルトスタンドは25°、30°、40°と色々な角度のものが売られている。自作スタンドはこれを変更することが容易だったので、試してはみたのだが、使い始めは角度が大きい方が楽に感じても、長時間使うと逆に疲れる印象だった。
この評価には個人差があるので一概には言えない。だが、試してみた感じ、ERGO Sの控えめな角度は、一見物足りなく感じるが、長時間使用を前提にすると絶妙なバランスなのだと思う。
そして、ERGO Sの替わりになるのか?という点に関しては、慎重にならざるを得ないという結論に至った。
FLOWは別の評価軸
今回の記事のコンセプトとは少し外れるが、軽く整理しておきたいので参考までに。
そもそも、M575とERGO Sでは、FLOWに対応しているか?という点で大きな差がある。

FLOWに関しては過去にも評価しているのだが、今回はK855のレビューでも触れたLogi Boltとの関係で評価が変わっている。

K855+ERGO Sの組み合わせで、過去にFLOWで感じていたPC1からPC2への移動、或いはその逆の移動の時に発生する引っかかりや、PCの見失いというトラブルが劇的に改善した。
古くは、Microsoftが提供するソフトで、Mouse without Keyboardというソフトウェアで2台のPCの間を1組のマウスとキーボードで行き来する環境を実現していたが、環境が変わってFLOWで代用するようになって感じていた不満がほぼ解消している。
なので、会社のPC環境では、もはやFLOWなしというのは考えにくいんだよね。
ERGO Sの方が優れている点
そのFLOW対応の機能を差し引いた上での評価なのだが、最初の使用感の時にはERGO Sに対して以下のような評価を下していた。
- 表面のマット処理にはやや違和感があるが、使い勝手は悪くない
- 金属ベースが重めに作られているが、動かさないのでデメリットではない
こんなところだった。
ところが、仕事で使ってみてこの評価が変わったのである。特に、家でチルトスタンドを自作ししてみて更に評価が改められたというか。
どういうことかというと、表面のマット処理はチルトされた状態では滑りにくくなることで疲れの軽減に繋がるということ。金属ベースの重みはERGO Sが動きにくくなる効果(裏面には滑りにくいゴム素材が貼ってあり更に効果が高い)があって、非常に宜しいということ。
つまり、気になっていた点は、実に利に叶った設計であったといえる。
まとめ
ということで、表題に示した「M575+チルトスタンドはERGO Sの代替になるのか?」という疑問の答えは、「ならない」だね。
まず、FLOWが必須の環境であれば、話にならない。
その点を差し引いて、使ってみてM575+チルトスタンドの組み合わせは、かなり使い勝手を良くする改善案であるとは言えると思う。ただし、手首への負担は軽くなっても、疲労度が軽減されるかというと、逆に気にするポイントが出てしまうので改善には繋がらないという風に感じた。特に、M575は軽め目に設計されたアイテムなので、動きやすいというデメリットが生じてしまう印象である。
そんなことはおそらく当然な結論ではあるのだが、実感できるかどうかはまた別なのである。M575からERGO Sに替えてみて、これは設計コンセプトから違う商品なのだと実感した次第。だから、少々お高いけれども、ERGO Sにはその差額を出すに見合うだけの価値があるよという結論になった。
ERGOシリーズは「人間工学に基づく設計」をコンセプトにしているが、正直なところ、最初は半信半疑だった。しかし、使い込むほどに、その意味が少しずつ分かってきた。人間工学とは派手な機能ではなく、長時間使ったときに疲れにくいよう細部まで積み重ねられた設計思想のことなのだろう。ERGO Sは、それを実感させてくれるマウスだったよ。

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